そろそろ次期の代議員選挙の時期になりました。そこで、今回の会長便りでは生化学会の仕組みについてご紹介したいと思います。2012年の公益法人化以降、体制が少し複雑になりましたので、古くからの会員のみなさまにもわかりにくくなっているかも知れません。

 日本生化学会は2000年(当時中澤淳会長)より代議員制をとっており、2012年の公益法人化にともなってさらに新しい代議員制となりました。正会員約40名につき1名の割合で「代議員」が選出され、その方々が公益社団法人日本生化学会の「社員」となります。社員とはなかなか耳慣れない言葉だと思います。総会も社員(=代議員)によって構成されます。奇妙に思われるかも知れませんが、代議員ではない会員の方々は(実際はほとんどの生化学会会員がそれに該当しますが)、この会社の制度上は社員ではないということになります。代議員は選挙で選ばれますが、これは支部毎に行われます。支部の会員数に応じて代議員数が決められます。現在は合計171名の代議員がいます。代議員の任期は2年で、1回に限って再選が認められます。つまり、2回続けて代議員を務めた場合は、次は被選挙権がなくなります(私も次は被選挙権がなくなります)。

 次に、代議員の中から監事と理事が選挙で選ばれます。監事は3名以内で、学会の見張り役となっていただきます。理事は定款上20~25名となっていますが、現在は24名です。その選出は生化学会独自の方法によります。生化学会には、医学・歯学、理学、農学・工学、薬学の4つの部門があり、それぞれの部門から4名の部門推薦理事が選ばれます(計16名)。それに加えて、8つの支部の各支部長が支部推薦理事となります。最終的に総会で承認されると理事が決定します。このような仕組みによって、部門間の偏りなく理事が選ばれますし、支部から理事会への提案・報告がスムーズになります。さらに理事の互選によって、会長1名、副会長2名、常務理事6名が選出され、実質的な執行部として学会の運営にあたります。

 少しややこしくなりますが、代議員とは別に、生化学会には「評議員」制度があります。評議員は法人化に移行する前から生化学会にあった制度ですが、公益法人になってもこの制度が維持されています。教授や独立准教授などのいわゆる研究室主宰者(PI)が評議員となる資格をもっており、評議員等の推薦に基づいて理事会で選出されます(詳細な資格は学会HPをご覧下さい)。評議員には任期はありませんので、評議員は生化学会の教授総会のような位置づけになります。現在は約800名が登録されています。生化学あるいは生化学会に関連する研究者に一斉に連絡を取れるので、実質的にはとても便利で機能的なグループとなっています。細則では、評議員は学会運営に関わる意見を理事会に提出することができることになっています。もしお近くで新しく教授、独立准教授、部門長になられた方がいらっしゃいましたら、評議員に推薦していただけたらと思います。評議員はもちろん代議員を兼ねることもできます。

 さて、代議員選挙のご案内をもうすぐ差し上げることになります。学会にとってはとても重要な選挙になりますので、投票をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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