生化学会に所属した40有余年を振り返って

生化学会に所属した40有余年を振り返って

名誉会員 中西 義信

将来は製薬関連企業で働くのだろうという漠然とした思いを持って進学した薬学部は“日本の科学を支える研究者を養成する”ことを目標に掲げる場所でした。卒業研究で生化学会を主要学会とする研究室に入り、独創性の塊のような教授、厳しくも優しい指導教員、そして頭には実験のことしかない先輩の導きにより、やがて私は科学者になる道を歩むようになります。そして、常にやりたい研究ができるわけではない、研究費獲得には大きな苦労が伴う、主要ジャーナルに論文を発表するのはかなり難しい、関連分野には自分に好意的ではない人もいる、研究室に優秀なスタッフと学生を集めるのは大変、などを実感します。これらの苦難を乗り越えて業績を積まないと研究室を主宰できるようにはなりません。私は常にそばにあった生化学会と関わりながらキャリアを積み科学者として独り立ちしてゆきます。