日本生化学会会員の皆様

第98回日本生化学会大会 会頭
京都大学・理事・プロボスト
岩井 一宏
日本生化学会員の皆様におかれましては、ご健勝のことと存じ上げます。
さて、11月3日-5日に国立京都国際会館で開催いたしました第98回日本生化学会大会に数多くの方々にご参加頂き、大変ありがとうございます。確か2021年1月に当時の日本生化学会の会長でおられた菊池章先生から、『2025年は日本生化学会の創立100周年にあたります。京都の研究者が日本生化学会の発展に果たされた役割が大きいので、第98回大会を是非、日本生化学会が皇太子殿下をお招きして国際会議(IUBMB)を開催した地である京都で開催して頂きたい』とのご依頼があり、今回の京都での開催に至りました。
そのような経緯がございましたので、日本生化学会創立100周年を意識し、第98回大会は『生命の根源としての生化学 ―100年の時空(とき)を超えて未来へ―』をメインテーマにさせていただきました。
大会初日、11月3日の午後に創立100周年記念式典を執り行いました。この式典をこれまでの歩みと今後に生化学の発展に日本生化学会が果たすべき役割を考える機会にしたいと考えました。そこで、第1部の来賓のご挨拶の後、第2部として、生化学的な手法を用いて人類に貢献する卓越した成果を挙げてこられた3名のノーベル賞受賞者に記念講演をお願い致しました。その後、第3部として、AI for Scienceの時代の到来を踏まえ、気鋭の若手PI研究者との討論会、若手研究者が考える「未来の生化学発表賞」のビデオ上映、さらに、今後の生化学を担う高校生の研究発表の表彰式を執り行いました。
国立京都国際会館は花火を打ち上げることができますので、京都開催のメリットを活かし、記念式典終了後に生化学会創立100周年を記念して花火を打ち上げました。おそらく、日本生化学会大会での花火は初めてかと存じております。少し肌寒かったかとは存じますが、多くの方々に楽しんでいただき、感謝申し上げます。
第98回大会では108のシンポジウム、1,380題の一般演題など数多くの方々に研究成果を発表していただき、有意義な議論、意見交換ができたと思います。また、本大会は異分野の研究者とのネットワーキングの場になったのではと愚考いたしております。
また、FEBS Open Bio誌の御好意でFEBS Open Bio口頭発表賞を2名の若手研究者に授与させていただきました。若手研究者の大きな刺激になったかと存じます。FEBS Open Bio誌のeditorの方々に感謝申し上げます。
さて、3名の講演者のご厚意で、本大会の記念講演は日本生化学会のホームページで公開させていただきます。準備に少し時間を頂戴いたしますが、公開する際には、また改めて皆様にお知らせさせていただきます。
第98回日本生化学会大会をつつがなく開催できましたのは、ひとえに、3,577名を数えました参加してくださった方々、ランチョンワークショップ、展示や広告など、ご協賛いただいた企業の方々のお陰でございます。心から感謝申し上げます。
岩井 一宏



