会長だより

  • 会長便り第4号:年会費の改定

    • 会長便り第4号:年会費の改定

      2025年6月3日
      横溝 岳彦

       

      2025年6月2日に開催された臨時総会の議案の一つとして年会費の改定が承認されました。これに伴い2026年度から新しい年会費制度を稼働致します。今回の会長だよりではこの年会費改定の背景や経緯についてご報告したいと思います。

       

      生化学会会員の年会費は、2007年度に「正会員9,700円、学生会員5,500円」から「正会員7,500円、学生会員3,000円」に値下げされてから、実に18年間にわたって変更されていません。「生化学」誌と「J. Biochemistry」誌を発行しながらも、生化学会の年会費は他学会と比較してもかなり低額です。幸い現時点での日本生化学会の財政は健全な状態で推移しておりますが、2025年に「早石修記念海外留学助成」事業が終了する予定で、これに代わる新規事業を企画するためにはより多くの資金が必要になります。また、最近の諸物価の高騰を鑑みると、この段階でより安定した財政基盤を構築しておく必要があると考えられました。また、2022年度からは「学生年会費無料」をうたっておりましたが、この対象は学部学生と修士学生であり、博士学生の年会費は無料になってはいませんでした。さらに一部の会員から「定年退職後も正会員として年会費を払い続けなければならないのか?」といった声も寄せられ、事実、65歳の定年後に退会される会員が多数おられます。

       

      生化学会の理事会ではこうした背景の下、一年以上をかけて新しい年会費制度を確立すべく議論を行って参りました。目標は「博士学生を含む学生の完全年会費無料化」と「定年退職後の退会をできるだけ防ぐ仕組み」です。当初は多数の会員種別からなる複雑な年会費制度が提案されましたが、理事会で何度も討論を重ねた結果、以下に示すようなシンプルな年会費のプランを作り上げることができました。博士課程の学生の年会費を無料化し、正会員へ移行する最初の一年は年会費を半額とします。評議員の先生方には生化学会の中心的な会員として少し多めの年会費をご負担頂きますが、これは学生の年会費を完全に無料化するために必要です。さらに定年退職のタイミングで5年分の年会費をお支払い頂ければ、それ以降のご負担をすることなく終身会員として登録させて頂きます。また、終身会員になっておられない先生方にはシニア会員というオプションもございます。年会費の負担が大きくなるため一部の正会員が退会されたとしても、年間500万円程度の増収が見込めると試算しております。

       

      今回の年会費の改定は、日本生化学会の将来のために必須のステップです。どうかご理解とご協力を頂けますよう、お願い申し上げる次第です。

       

      新・年会費プラン

      2026年度会費(2026年4月1日~2027年3月31日)より改定させていただきます。

      会員種別

      現行  

      改定後

      学生会員(学部)

      無料

      無料

      学生会員(修士)

      無料

      無料

      学生会員(博士)

      3,000円

      無料

      正会員1 学生会員から昇格1年目

      7,500円

      5,000円

      正会員2 上記以外

      7,500円

      10,000円

      評議員(70歳未満)

      7,500円

      12,000円

      終身会員(65歳以上で申請)
      (上段)正会員/(下段)評議員 1回のみ

        -

      50,000円
      /60,000円

      シニア会員(70歳以上且つ会員歴20年以上)

        -

      5,000円

      ※終身会員・シニア会員への移行には申請が必要です。

      以上