第9回 都医学研シンポジウム 「グリア細胞機能の新展開から脳機能のさらなる理解へ」

グリア(glia)細胞の語源は、糊を意味するglueからきており、日本語でも糊を意味する膠(にかわ)という字を使って神経膠細胞と書くが、これはグリア細胞が最初、神経細胞と神経細胞の間を埋めるものとしてしか認識されていなかったことを示している。細胞として認識されるようになってから、グリア細胞は形態などの違いからアストロサイト、オリゴデンドロサイト、ミクログリアなどに分類され、それぞれ特徴のある機能も見つかってきた。これまでの脳研究では神経細胞間のコミュニケーションの理解が中心であった。しかしこの数年間のグリア細胞の研究から、神経細胞-グリア細胞間、さらにグリア細胞-グリア細胞間のコミュニケーションの理解が、脳機能の理解に不可欠であることが認識されている。本シンポジウムでは、グリア研究の最前線で活躍する研究者に、様々な研究手法から得られた、最新のグリア細胞機能の知見を紹介していただき討論する。

日時 2020年2月10日(月曜日) 13時00分から17時00分
場所 東京都医学総合研究所 講堂(最寄駅:京王線上北沢駅/八幡山駅)
プログラム
開会の辞
齊藤 実(東京都医学総合研究所 副所長)
13:00-13:05
前半の部
座長:齊藤 実
(1) 「連合学習に必要な感覚情報のグリア細胞による伝達機構」
東京都医学総合研究所 学習記憶プロジェクト
主席研究員 宮下 知之
13:05-13:50
(2) 「マウス大脳皮質アストロサイトのCa2+およびcAMPの動態」
理化学研究所 脳神経科学研究センター・コペンハーゲン大学
教授 平瀬 肇
13:50-14:35
(3) 「ミクログリア生理機能と病態における役割」
名古屋大学大学院 医学系研究科 機能形態学講座 分子細胞学
教授 和氣 弘明
14:35-15:20
 休憩 15:20-15:25
後半の部
座長:宮下 知之
(4) 「反応性アストロサイトによる神経ネットワークリモデリング」
山梨大学大学院 総合研究部 医学域 薬理学講座
教授 小泉 修一
15:25-16:10
(5) 「体性感覚信号プロセシングとグリア細胞」
九州大学大学院薬学研究院 臨床薬学部門 ライフイノベーション分野
薬学研究院附属産学官連携創薬育薬センター 
教授・センター長 津田 誠
16:10-16:55
閉会の辞
宮下 知之
16:55-17:00
申込方法 申込不要
定員 先着100名
参加費 無料
※都医学研シンポジウムは研究者や医療従事者等を対象としており、内容が専門的なものとなります。
問い合わせ先 (公財)東京都医学総合研究所 第9回都医学研シンポジウム事務局
E-mail:symp
Tel:03-5316-3109(直通)