会長だより

会長便り第1号:― 100年の先へ、若い世代とともに ―

2026.4.17

会長便り第1号:― 100年の先へ、若い世代とともに ―

2026年4月17日
本橋 ほづみ

 

昨年秋に開催された日本生化学会100周年記念大会は、多くの方々のご尽力により、記憶に残る節目の機会となりました。とりわけ、若手研究者による発表会では、自由で伸びやかな発想と熱意にあふれた議論が交わされ、これからの生化学を担う世代の力強さを実感いたしました。夜を彩った花火もまた印象的で、100年の歩みを祝うと同時に、その先に広がる未来を静かに照らしているように感じられました。

こうした節目を経て、日本生化学会は101年目の新たな取り組みとして、若手研究者の短期海外渡航を支援する助成事業を開始することといたしました。本事業は、国際学会への参加や海外研究機関との交流を通じて、若い研究者がより広い視野を獲得し、自らの研究を世界の中で捉え直す機会を後押しするものです。

研究の現場は、今や国境を越えた知の往来の中にあります。異なる文化や研究背景をもつ人々との対話は、新しい発想を生み出し、研究の輪郭をより深く、豊かなものにしてくれます。若い時期にそのような経験を積むことは、その後の研究人生に長く影響を与えるでしょう。

同時に、日本生化学会は、各支部における活動を通じて、地域に根ざした若手研究者の育成と交流の促進にも力を入れてまいりました。支部主催の学術集会やセミナーは、若手研究者が気軽に発表し、議論を重ね、互いに刺激し合う大切な場となっています。こうした日常的な学術の営みと、今回新たに開始する国際的な挑戦の機会とが相まって、若い世代の成長をより確かなものにしていくと考えています。

本助成事業が、次世代の研究者にとって世界へ踏み出す一歩となり、日本発の生化学研究がさらに広がっていく契機となることを願っております。そして、100周年の場で感じたあの活気と希望が、これからもさまざまな形で育まれていくことを期待しています。

会員の皆様におかれましては、本事業の趣旨にご理解を賜り、若手研究者への温かいご支援と積極的なご応募をお願い申し上げます。

今後とも、日本生化学会の発展と、生化学研究のさらなる広がりに向けて、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。